2023年 抱負

年越しのちょっと前、曲を書きたいのに実家にいて書けないので、ブログを書きます。

2022年の振り返りと2023年の抱負を書きますよー

2022年は個人的に久しぶりに動きを感じた年でした。この2年停滞していたものが再び動き出す、そんな空気で、なんだか楽しい一年でした。

うちのサークルは3つのアルバムを出しましたよ。それぞれ振り返ってみます。

 

■Magoria(春例大祭

東方風自作曲の7thAlbumです。テーマは”おときばなし”で童謡的な懐かしさとわくわく感、不思議な感じを目指しました。あらゆるものに影響を受けて作ったアルバムですが、特に「フリップフラッパーズ(アニメ)」「プリパラ(アニメ)」「ゆらゆら帝国のめまい(音楽アルバム)」「Pet Sounds(音楽アルバム)」からの影響が大きいです。60年代の音楽潮流のひとつ、ソフトロックをこの1,2年ほど聴いていて、大好きなのでその影響が大きいアルバムになったと思います。プリパラはアイドルアニメなのであんま関係ないのですが、2曲目の「色惑うカルデアの夜」はプリパラの劇中曲に多大に影響を受けました。いやーいいアニメでした。

個人的一押し曲は「ファンタズマゴリア」「Magoria」です。今までで一番満足のいくアルバムに出来たと思っています。反省点があるとすれば、構成や雰囲気はとても良いんだけど、ひとつひとつの曲の魅力というのがもうちょっと前面に出た方がよかったかな~と。そんな感じ。反省点はありますが、大のお気に入り。ジャケットもいいよね。

 

■紅色の幻想郷 ~ 20th Scarlet Magic(コミックマーケット100)

紅魔郷のアレンジアルバムです。一番好きな原作が紅魔郷で、今年で20周年ということで作るしかないぞ!という意気込みで作りました。何気に東方アレンジアルバムを作るのは初めてだったんですよね(西方アレンジアルバムは作っていたけど......)。僕は自分がアレンジを書けない人間だと思っているので、普段はオリジナル(東方風)を書いているのですが、結果としてよいアルバムに出来たのかなと思います。聴いていて好きなのもありますし、アレンジ(二次創作)というのはその行為自体に意味があるのだな、ということがよくわかりました。

一押し曲は「ヴワル魔法図書館」「亡き王女の為のセプテット」です。前者はタイトなドラムスとレトロでキラキラ魔法的なストリングス、ピアノや鐘がいい感じ。原曲は不協和音が多く、転調も珍しいもので何も考えずに打ち込むと不自然になってしまうんですよね。不自然さを無くしつつ活かすのが難しく、楽しかったです。亡き王女の為のセプテットは構成や盛り上がりがうまいですね。音源の都合上16トラック(音色)しか使えなかったのですが、セプテット書くときは倍欲しくなりましたね。うん。そういう制限がある中で曲を書くのもゲーム音楽らしく、いい経験になったなー

 

■Mahoro Magic ~ えっちなのはいけないと思います!(紅楼夢

ゲスト参加者さんを募って作ったアルバム第三弾です。募集するときはいつも『今回は誰にも参加してもらえないかも』と考えてしまうのですが、ふたを開ければ30人もの方に参加してもらい、本当に感謝に絶えません。

回を増すごとに参加者さんが増えていて、なんでだろうと不思議なのですが、あんまり身内感を出さないようにしているので参加しやすいのかな、と自分では思っています。僕が人付き合いが苦手で、身内感というのも苦手なので、募集をする時はなるべくそういう匂いを無くすようにしてます。仲良くするでもなく、離れるでもなく、そういう距離感が心地よい。創作する人間は言葉を交わさなくても作ったものでコミュニケーションが成立すると信じています。あの人の作る曲すごいな、アルバム良いな、ストイックでカッコ良いな、尊敬しちゃうな。敢えて言葉を交わさなくてもそういう部分で会話しているつもりです。だって良い曲聴いたら自分も頑張りたくなるもんね!そういう意味でもこのアルバムは聴くと元気が出ます。嬉しくなります。

一押し曲は「Café Sunrise」「オーダーメイド・メイデン」本当にどの曲も好きなんですが、この2曲は特に好きです。前者は乾いてリアルなドラムやピアノなどのサウンド、後半の心地よい風を感じるような東方的なメロディが絶品。後者はもう、憧れちゃいますね。僕もこういう曲をいつか書いてみたいなと思うばかりです。

あと、今年の紅楼夢は本当に楽しかったですね。いつもはTwitter上で見ている人たちに実際に会って話をする、会話は苦手だけどやっぱり嬉しいです。遠出する楽しさも相まってとても良いイベントでした。

 

さて、次は今年聴いた音楽を振り返ってみます。特に刺さったアルバムたちはこれだ!

 

■星と月のソナタ(1995)/ ALI PROJECT

ALI PROJECTの3rdAlbum。今年一番大きな出会いだな、と思うのはローゼンメイデンALI PROJECTとの出会いです。ローゼンメイデンは本当に好きすぎて......今まで生きてきて一番刺さった漫画でした。ローゼンメイデンALI PROJECTは関係が深く、アニメのOPをすべて担当しているのもありますし、そもそもローゼンメイデン作者のPEACH-PIT先生はずっとALI PROJECTのファンで、漫画にも影響がそこかしこに見えます。

ALI PROJECTについては名前だけ朧げに知っている程度で、ローゼンメイデンのアニメを見てるときにOP曲が「やたら癖のある曲調だな......」と気になってアルバムを聴いてみたんです。そしたらもう、イチコロでした(笑)。弦やピアノを主体にしたクラシカルな音選び、幻想的夢想的な歌詞や音像、まさに幻想音楽と呼ぶに相応しいもので、僕の好みにドンピシャでした。なんで今まで聴いてなかったんだろうって感じ。2002年ごろのZUN曲やSound Horizonが好きな方は漏れなくアリプロも好きだと思います。

さてこちらのアルバムですが、冬をテーマにしたバラード集といういで立ち。1曲目の「雨のソナタ〜La Pluie〜 」イントロからもう、蕩けちゃいますね。深くリバーブの掛かった音とアリカさんのタメをふんだんに使ったボーカルが堪りません。このアルバムで一番好きな曲です。

一押し曲は「雨のソナタ〜La Pluie〜」「空宙舞踏会」「薔薇色翠星歌劇団

 

■Aristocracy(2001)/ ALI PROJECT

ALI PROJECTの5thAlbum。今年聴いた中で一番好きなアルバムです。妖艶でダークで耽美なゴシックロリータ音楽なアルバム。アリプロのヴォーカル宝野アリカさんは”アリス”が大好きだそうで、ALI PROJECTというグループ名もアリカさんの名前もそうですし、このアルバムタイトルもアリスを意識したものだと思われます。Aristocracyは貴族制という意味で、2曲目の「少女貴族」がタイトルチューンに当たる曲です。この曲はアップテンポでダークな曲調もそうですが、歌詞がとにかく好きです。

いまも地下牢の柩に眠る
遥か祖先 一族たちの
王に優る気高き血が
わたしの奥で叫んでいる

異端をはじきだす社会に
真実の美は生まれない
腐敗 汚染 低俗の民に
天は罰を与える

プライドを持って生きること。周りに流されず異端としてでも美しく、自分の持つ価値観に従って生きること。それを歌っている歌詞だと思います。僕も創作するうえで一番大事なのはプライド(自尊心・誇り)だと思っているので、すごく共感しちゃいます。

このアルバムで、というか今年聴いた音楽の中で一番好きなのが「un tableau blanc 〜絵画旅行〜」です。童話的、映画音楽的でどこか別の世界に連れて行ってくれるようなサウンド、メロディや和声の美しさ......聴くたびに涙が出ちゃいます。

一押し曲は「少女貴族」「コッペリアの柩」「閉ざされた画室」「un tableau blanc 〜絵画旅行〜」......というか全部(笑)

 

■Begin(1968)/ The Millennium

米国のバンド The Millennium の1stAlbum(というかこの一枚しか出してない)。ジャンルとしてはソフトロックになります。ソフトロックとは説明が難しいんですが、多重コーラス、弦楽器やチェンバロといったクラシカルな楽器、幻想的なギターの音を使った、柔らかで懐かしさもある幻想風味なロック、という感じかな。好きなジャンルで色々アルバムを漁ってみたのですが、特に刺さったのが「Pet Sounds」とこのアルバムでした。

とにかく音質が良いんです。というか、60年代のアルバムはどこれもこれも良い音なんですよね。時代によって音って全然違ってくるんですが、60年代のサウンドは大好物です。この時代には珍しい16トラックのレコーダーを使用したようで、古いアルバムにあるようなパン振りが左右に極端、みたいなこともなく今の時代に聴いても全く違和感なく聴けると思います。どの曲も幻想的でありながらしっかりと芯のあるサウンド、ロックに不可欠なユニークさ、コーラスの美しさが詰まったアルバムです。

1曲目の「Prelude」は曲名の通りアルバムのイントロに当たるインスト曲で、チェンバロの響きが印象的なナンバー。サーカスを想起させるような面白おかしさと勢いのある曲で、アウトロがそのまま2曲目のイントロに繋がるのがとても良いです。

一押し曲は「Prelude」「To Claudia On Thursday 」「5 A.M. 」

 

■物語のように(2022)/ 坂本慎太郎

坂本慎太郎の4thAlbum。坂本さんは元ゆらゆら帝国のギター/ヴォーカルで、2010年にゆらゆら帝国は解散しその後はソロでアルバムを発表しています。

3rdAlbumから6年ぶりのアルバムで、ゆらゆら帝国と坂本さんの音楽が大好きな僕は密かに新譜を楽しみにしてたのですが、今年にやっと出ました。嬉しい。今まで通りのメンバーとアナログ感を大事にしたサウンドなのですが、今回は特にひとつひとつのおとが”太い”感じ。よりロック感が出てるなぁって印象です。

坂本さんの書く歌詞は死に対する諦め(達観)と幼少期の記憶や懐かしさへの愛着、少年的な視点が特徴的で好きなんです。タイトルチューンでもある「物語のように」なんていうのはまさに子供の頃に読んだ物語をイメージするような愛らしさがあります。

物語のように 昔に戻ろうか
物語のように 恋をしようよ
物語のように あの日に帰ろうか
物語のような 君とぼく

初めての感情 寝るのも忘れて
ダメな妄想 頭を抱えて
ぼくはずっと ドキドキしている
それがなぜか わからぬまま

一押し曲は「まだ平気?」「悲しい用事」「スター」

 

■プリパラ☆ミュージックコレクション

プリパラの劇中曲のサントラ。プリパラはアーケードゲーム、プリティーシリーズの第二弾で2014年からアニメが放送されていました。それを今年に入って見始めたんです。いやー面白かった。いわゆる女児向けアニメなのですが、全く子供だましなどはなく話がしっかりしていて、狂気とも言われるような独特なユニークさ、キャラクターの可愛さに溢れた大人でも楽しめるアニメです。アイドルアニメなのですが、その人気も頷けるほど劇中の曲・ダンスとその作画(3D)のクオリティが高いです。このアニメにどれほど勇気とやる気をもらったことか......Magoriaはこのアニメを見ていなければ全然違ったものになったと思います。

特に好きな曲は「HAPPYぱLUCKY」「CHANGE! MY WORLD」「0(ゼロ)-week-old」「でび&えん☆Reversible- Ring」「アメイジング・キャッスル」「Mon chouchou」「シュガーレス×フレンド」

本当におすすめのアニメです。全部で151話ありますが一瞬で溶けますよ(笑)僕は今年の1月ですべて見終わってしまいました......笑

 

■結束バンド(2022)/ 結束バンド

結束バンドの1stAlbum。結束バンドは漫画(アニメ)「ぼっち・ざ・ろっく!」作中のキャラクター達のバンドで、このアルバムはアニメのOP・ED・劇中曲集になります。なんですが、アルバムタイトルからわかる通り、とてもコンセプチュアルに展開されていて、OP・ED・劇中曲集というよりひとつのバンドのアルバムとして聴くことができます。そこがもう、とにかく良いですね。漫画中のバンドが本当にこの世に存在しているような楽しさ。ひとつのコンセプトアルバムとして捉えられると思います。

「ぼっち・ざ・ろっく!」のアニメが愛に溢れた最高に面白いアニメであることはとりあえず置いといて、このアルバムの曲たちの話を。

曲としては全体的にポップ・ロックに仕上がっていますが、ゴリゴリにロックを感じさせるような「ラブソングが歌えない」「あのバンド」といったチューンもあります。ラブソングが歌えないなんて特にイントロが格好良いですねぇ。ヴォーカルは喜多ちゃんが主なのですが、ほかのメンバーが歌った歌もそれぞれあり、それがアルバムの”ツボ”ともいえる部分に配置されていて構成がうまいです。

どの曲も歌詞が秀逸で、ひとりちゃん目線の後ろ向きな歌詞なのですが、そこにシンパシーを感じられるのは原作と一緒でしょうか。

「悲しい歌ほど好きだった 優しい気持ちになれるから」自分の中にある悲しみを他人と重ねたときの喜び。相手に寄り添う優しさ。ネガティブさを否定するのではなく、それも個性なんだと肯定する、マイノリティーであることは悪いことなんかじゃない。素敵ですね。

歌詞が特に好きなのは「カラカラ」です。

カラカラ騒ぐ思考飛ばして
前借りしてるこの命を
使い切らなくちゃ今この瞬間も
ダラダラ過ぎる日も愛して
きっと君に会いに行く
いつか消えてしまう前に

生きるということはずっと続いていくようで、実は刹那的なものであるという焦り。死んでしまう前に何かやらないと。それでもダラダラ過ごす自分を肯定する。とても共感してしまいます。

このアルバムで一番好きな曲はラストナンバー「転がる岩、君に朝が降る」です。ひとりちゃんのヴォーカルがとにかく良いですね......エンジニアさんがわざと下手に(ひとりちゃんが自信なさげに歌ってるように)歌うようにディレクションしたそうですが、歌というのは、音楽というのは上手い下手じゃないよ、何を込めるかだというありがちなあれですが、でもそれは真実だと思います。とても響きます。この曲が最後に流れることにより、あぁこのアルバムは結束バンドのアルバムなんだな......という納得が訪れ、また1曲目から聴きたくなる......ひとつの曲としても、ラストナンバーとしても完璧ですね。これができるのも音楽を担当した方の作品への理解と愛が深い証拠だと思います。そんな感じで、愛が詰まった素敵すぎるアルバムでした。

一押し曲は「青春コンプレックス」「Distortion!!」「ギターと孤独と蒼い惑星」「カラカラ」「転がる岩、君に朝が降る

姫神(1982)/ 姫神せんせいしょん

姫神せんせいしょんの3rdAlbum。姫神せんせいしょんは姫神こと星吉昭さんを中心としたバンドで、1981年から1984年にかけ活動し4枚のアルバムを発表しています。

姫神せんせいしょんのアルバムの中ではこちらが一番好きですね。テクノ・ポップ的なノリの良いリズム・サウンドと日本的なメロディと節回し、幽玄さを感じる雰囲気など姫神せんせいしょんらしさが成熟しきった頃のアルバムです。

ジャケットもすごく良いんです。江戸の画家、伊藤若冲が描いた”老松白鳳図”が元ネタで、屏風から煌びやかな鳥が飛び出したような絵になっていてその美しさと日本的な感じが大好きです。

一押し曲は「舞鳥」「七時雨」「えんぶり」

 

今年の刺さったアルバムは以上です。いやー色々新たな出会いがあってよかった。特にアリプロ

 

長々と書いてるうちに年が明けてしまいました。あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

さて、2023年の抱負ですが、4つほどアルバムを出す予定です。8th,mini,アレンジ,Specialともう出すものは決めているので、あとは地道に作っていくだけです。直近では春の例大祭で”雪”と”巫女”をテーマにした東方風自作曲の8thAlbumと、ろっく!な秘封風miniAlbumを出す予定です。いや、ぼっち・ざ・ろっく!に影響された訳ではなくごにょごにょ......まぁ真面目に2年ほど前からロックな秘封風は作ろう作ろうと思っていたのですが、ぼっち・ざ・ろっく!に背中を押されてやっと作ろうと思った次第です。ありがとうぼっち・ざ・ろっく!......ギターマシマシにする予定なんですが、ギターだけは全部生でやりたいなぁと。ギターが全部生な東方風アルバム、珍しくて楽しそう。

8thの方は、東方的で姫神的で土井玄臣的なニューエイジで風景的で日本的で静謐なポップさもあるアルバムを目指して制作中です。今までで一番静かなアルバムになると思うので、そういうのが好きな人に刺さればいいなぁ。雪と巫女。いい取り合わせだと思います。

ではこの辺で。今年もがんばろー!